亀村木材がある香取地域は杉や松の良材に恵まれ、古くは江戸、近代にあっては東京という大消費地に100キロメートルという距離の立地条件で木材を供給する産地でした。
亀村木材はこの香取地域で百年以上に渡って木材を扱わせていただきました。
この自然の恩恵と古くからお引き立ていただいたお客様に感謝するのみでなく、森林所有者の皆様、業界・流通の皆様、また地域の皆様にも多大にお世話になってきたことに深く感謝の気持ちを忘れません。
また百年という看板に依拠することなく、先人たちの苦労の積み重ねで今日の会社があることを忘れぬだけではなく、木材という素晴らしい素材を現代科学の粋をつくし商品開発を行うことはもちろん、社員一丸となって、営業、流通あらゆる分野で創意工夫をいたします。
その中、自己本位な考えを捨て、製品開発と事業形態は木材業・林業振興につとめることを旨としながら森林保護や二酸化炭素削減という環境課題に取り組みます。また社業を通じ社会の構成者の一員として社会貢献と共存共栄を目指します。その精神で社員一同、人の和で築く会社としていきます。
ただ儲かればいい。分からなければなにをやってもいいという刹那的な社会風潮もみうけられますが、亀村木材は、さらに信用・信頼いただけるように、地道な努力を忘れずに、次の百年を築き上げる会社を目指します。
木の科学は今飛躍的に進んでいます。 しかし、いまだ日本の木材関連業界では、古い観念に囚われ木材を充分活用できていないのが現状です。
弊社は平成10年に木材の防火研究に着手、内外の研究者・技術者の協力の中、平成19年に「無機複合化改質木材」の国土交通省認定不燃材料の取得をしました。さらに生物学・無機化学の学究成果を元に、難燃性だけでなく、腐りにくい、虫も回避、変色も抑えた「ガラス質複合化改質木材」を開発しました。 「ミネラルウッドクリスタル」の誕生です。
令和4年、20年来の研究の成果、自社開発品「塗っただけで難燃木材」ガラス塗料「ファインクリスタエルブルー」による難燃木材「ミネラルウッドブルー」の開発に成功しました。
『21世紀は木の世紀 最高の素材である木材を最大に生かす』日本における「ガラス質複合化改質木材」のパイオニア企業です。
下記に平成10年の「ガラス質複合化改質木材」ミネラルウッドクリスタル開発にあたるビジョンを記します。
事業ビジョン:「21世紀は木の世紀 最高の素材である木材を最大に生かす」
1998年に作成
化学物質の健康被害の問題
住宅における環境問題がクローズアップされ、塩化ビニール建材等、様々な建築材に、多種にわたる化学物質が含まれており、それが住人の健康被害になっていると、たびたび報道されていることはご承知のとおりです。
塩化ビニール建築材に発ガン性物質が含まれている等、マスコミに大きく報道されるようになっております。既にドイツなど欧米諸国で、地域によって公共建築物に使用の規制を行ったり数年後のめどで使用禁止の動きのある国がでている状況です。
この中、日本政府においても、官民合同で研究会をつくり、この化学物質による汚染の解明と人体被害を未然に防ぐため、施工、設計のガイドラインの策定がまとめられており、建材メーカーが対応に追われているというのが現状です。さらに未解明の部分の検証がなされれば、事実上の規制が行われてくることは明らかです。
また、昨今、壁材等建築材に多く使用されている塩化ビニールが燃焼時に発生するダイオキシンが社会問題となっております。ダイオキシンを発生させる物質が塩化ビニールに代表される塩化化合物です。塩化化合物は燃焼すると塩素ガスと猛毒の発ガン性物質ダイオキシンを発生させることになります。また、このダイオキシンはそればかりでなく、環境ホルモンと呼ばれる物質でもあり、不妊症の原因とされております。政府も「環境ホルモン・ダイオキシン対策など環境・新エネルギー対策」として巨額の対策費を投じております。
環境問題から言っても、森林の有効利用というのは重要な問題です。経済協力機構(OECD)、環境庁の政策の中で、天然林を保護するだけでなく、森林資源の価値が上がらなければ自然環境が守れないと主張され、明らかになってきております。地球規模の市場経済のなか森林に価値がなければリサイクル出来ない。つまり切りっぱなしで労働力、資本を投資して植林をするという価値が無くなってしまいます。森林の砂漠化で最大の原因は、発展途上国での焼き畑、そして、燃料としての木の伐採が原因であることは周知の事実です。一時誤った認識がなされ、森林を守るのは木材を使わないこととされ、割り箸さえも使わないと言う風潮がありました。事実は全く逆で木に価値がなければ、本来リサイクル出来る資源である木材が使い捨ての資源となってしまうのです。インドネシアを初めとする発展途上国の煙害の被害とともに、この問題は環境問題の早急な問題として浮上してくると思われます。
特に国際的に二酸化炭素の排出削減が緊急の課題として取りざたされており、酸素の供給量の多い若木の育成、つまり人工林の計画的伐採植林が求められております。
木材の復権は明らかなことではないでしょうか
千三百年以上たっても朽ちることのない法隆寺に代表される、高度の技術を持つ日本の木造建築。神代の時代から歴史をもつ日本住宅が健康に被害を与えると指摘されたことは、かつて一度たりともありません。逆に木の成分の中には、抗菌力のあるフィトンチッドや心の落ち着きを促す成分が含まれていることが知られております。
建築物の化学物質の健康被害、また、環境問題からいっても、自然素材の木材の復権が間近にこようとしています。
木造軸組工法の優位性
私達の町、佐原には小江戸といわれる伝統的町並みが残っています。
伝統的建築は、風土、健康、生活、人生のサイクルを加味し、長い年月をかけ積み重ねた技術で造られております。そしてその土地の木を製材して使われております。その土地の建築にその土地の木材が良いというのも古来からの人々の知恵です。佐原に限らず日本人は古来より木造住宅を好んで建ててきました。西洋は石の町並みですがなぜ日本には木の家が造られてきたのか。
湿度が高く、地震の多い日本。梅雨になれば湿気を吸い、乾期になると、水分を放出する家、西洋のような堆積岩の家では風化して崩れてしまいます。阪神淡路大震災(1995年1月17日)で、当初誤った報道がされましたが、木造住宅もきちんとした工法で建てられてた家は被害は極めて少なく、木造住宅が地震に強いことが改めて証明されました。鉄骨やコンクリートは一見強そうに見えますが、重さあたりの強度で調べると、木材は引っ張り強度で鉄の3倍、コンクリートの23倍、圧縮強度で鉄の2倍、コンクリートの5倍、曲げ強度で鉄の16倍、コンクリートの400倍もの強さがあります。
これらのデーターからも明らかなように条件に応じ、筋交い、火打ちを入れる等建築に合わせた適切な工法で行えば地震に強いということは明らかです。また海外で高く評価されている、日本の宮大工の「羽目板組み込み工法」等、木材に断熱材と自然換気の能力があることも知られています。
木材の科学的探求
しかし、伝統に固執するのみではなく木材も科学の洗礼を受けなければなりません。
法改正により大断面集成材の建築への適用に始まるエンジニアリングウッド時代の到来。そして今、木材の最大の欠点とされた「燃える」という欠点が克服されようとしています。難燃木材の開発が進み、木材の劣化を防ぐ技術の開発など、自然の素材である木材を生かした新技術が目白押しです。
まさに、木材の復権と共に、木材の科学的探求の成果が問われようとしています。
「21世紀は木の世紀。最高の素材である木材を最大に生かす」
と確信と希望に胸を膨らませるばかりです。
明治11年 | 亀村商店創業(現在の香取市下新町) 《亀村の商号は出身地である香取神宮の神山、亀甲山(かめがせやま)に由来します。》 |
明治24年 | 亀村商店 木材・薪炭業(現在の香取市牧野) |
明治35年 | 亀村材木店と商号変更 《京都の東本願寺始め全国の社寺建築に松梁を納材するなど、千葉の丸太王と称されました》 |
昭和22年 | 亀村木材株式会社法人設立(現在の香取市佐原) |
昭和58年 | 東京理科大学理学部卒業後、現、代表取締役亀村俊二入社 |
平成10年 | 常温ガラスの研究、応用技術の開発に着手 |
平成15年 | 千葉県知事より千葉県建築文化奨励賞を受賞 |
平成18年 | 常温ガラスでテレビ報道番組の取材を受け、「不燃木材」「液体ガラス」「ガラス塗料」と紹介されました。これにより常温ガラスの発明者である森実博士(後の弊社技術顧問)は株式会社日興の会長を辞任しました。 |
平成19年 | 「無機複合化改質木材」が国土交通大臣よりスギによる不燃材料認定を受けました。 液体ガラスの木材への注入に成功しました。「ガラス複合化改質木材」の誕生です。 |
平成20年 | 常温ガラスの発明者であり、特許権者、早稲田大学理工学研究センター森実博士、弊社技術顧問に就任。木材における常温ガラスの特許通常実施権をいただきました。 |
平成22年 | ガラス化木材ミネラルウッドクリスタルが水産庁「木材利用を促進する増殖技術」の研究対象になり2年がかりの研究が始まりました。 |
平成23年 | 朝のテレビ報道番組「みのもんたの朝ズバ」の取材を受け、報道されました。 |
令和4年 | 常温安定ガラスによる自社開発品「塗っただけで難燃木材」ガラス塗料「ファインクリスタエルブルー」による難燃木材「ミネラルウッドブルー」開発に成功しました。 |
大正11年 節句のお祝いの写真、抱かれているのが後の三代社長亀村俊雄
昭和五年 松井天山による鳥瞰図
佐原町を流れる小野川上流に製材所、店舗を構え、佐原駅に隣接し製材置き場。ここより鉄道を使い深川木場を始め全国に出荷していました。
亀村材木置場が佐原駅に隣接して描かれています。